2012年06月17日

厳しいのは期待してるから 高橋奈苗 vs 岩谷麻優(スターダム 6月10日 新木場)

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「ダメな選手イコール岩谷麻優。私の中で今日インプットされました」

試合後のコメントで、高橋奈苗はこう言ったらしい。
いささか厳しい発言ではありますが、その真意はどこにあったのか。

◆スターダムSeason7「Wonderful Stars 2012」6月10日(日)新木場1stRING

デビュー当時はへっぽこレスラーの名を欲しいままにしていた岩谷。1年前の6月には「未勝利戦」と銘打たれた須佐えりとのシングルマッチで敗れ、スターダム最弱の称号まで手に入れてしまいました。しかし、そこから徐々に力をつけ、最近ではかなりの安定感を見せるようになりました。5月の後楽園大会ではドラゴン・スープレックスを初披露し、その日一番のどよめきを誘いました。

そしてこの日のセミファイナル、2011年2月の情熱注入マッチ以来、約1年3ヶ月ぶりとなる高橋奈苗とのシングルマッチを迎えました。

▼シングルマッチ 20分1本勝負
 高橋奈苗 vs 岩谷麻優

入場はもちろん岩谷が先。コーナーで待機するかと思いきや、なにやら風香に話しかけている。すると今度は風香がセコンドのはるか悠梨に指示を与えると、慌ててバックステージに駆けていくはるか。どうやら岩谷がコスチュームの一部であるアームカバーを忘れたらしい(苦笑)

岩谷のコール時には紙テープの他に、白と青の風船が飛ぶ。すっかり定番となったようだ。
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紙テープを体に巻きつけて、なんとも嬉しそうな岩谷。

試合前、両者はガッチリと握手。

岩谷はゴングが鳴ると同時に飛び出し、飛びついてカサドーラで丸め込む。これを返されても首固めを連発し、さらにはウラカン・ラナを仕掛けるが、奈苗はこれを受け止めて抱え込み式逆エビ固め。
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これをエスケープした岩谷だが、奈苗はそのままグラウンドに持ち込むと、マウント状態でエルボーや張り手を叩きこむ。
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これに対し、岩谷も果敢にやり返していくが、奈苗は「ゴツン」と音のするヘッドバットで追い打ち。序盤から手厳しい。

リストを固めていく奈苗だが、岩谷は逆に腕を取り返すと、コーナーを駆け上がり、ロープを利用したアームホイップ。
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1年3ヶ月前はとても危なっかしい感じだったこの技を、今ではすっかり自分の物にしたようだ。ちなみにこの攻防で、せっかく持ってきてもらったアームカバーが早くも脱げてしまった。

この1年3ヶ月、岩谷は確実に成長している。

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スリングブレイドも当初はただなんとなくつなぎ技として出していたが、最近はここぞという時にカウンターで決め、反撃の狼煙となっている。

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奈苗のミサイルキックは正面から食らい、ノアの丸藤のように一回転して吹っ飛ぶほどの受けっぷりを見せた。

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前回の対戦でフィニッシュとなった冷蔵庫爆弾は、コーナー二段目のものはカウント2で返し、最上段からのものはヒザで迎撃してみせた(というか、最上段からのものだけを「冷蔵庫爆弾」とするのかな)。

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本人が常々「ナンバーワンの使い手になりたい」と公言している空中殺法では、ポスト最上段からのボディアタックを見せた。

しかし、岩谷が成長した以上に、高橋奈苗もまだまだ進化している。成長した岩谷に対し、奈苗の攻撃も新人に対するようなパターン化したものではなく、臨機応変というか、思わぬタイミングで普段見かけないような技を繰り出していく。

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ダブルリストアームサルトを狙った時にはニーリフトで蹴り上げ、カナディアンバックブリーカーで担ぎ上げた時には、いつものようにコーナーではなくそのまま膝の上に落としていく。

圧巻だったのは逆打ちを狙った岩谷に対し、これをこらえると腕をつかんで起き上がり小法師ラリアット!
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これがなかなかエゲツナイ感じに決まり、岩谷は大ダメージ。

岩谷は雪崩式ダブルリストアームサルトで投げるも、そのままダウン。
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先に立ち上がったのは奈苗の方だった。明らかに岩谷はスタミナ切れ。これ以降動きが止まることが多くなる。しばらくは様子を見ていた奈苗だったが、途中で見限ったのかラッシュをかけると、最後は珍しくラリアットで3カウント。
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それは岩谷が1回転するほど強烈なものでした。

○高橋奈苗(14分20秒、ラリアット→片エビ固め)岩谷麻優●

立ち上がってこれない岩谷。それを見た奈苗は、倒れている岩谷の体を踏んづけてからバックステージに消えていきました。

御存知のように、この時 紫雷イオは大麻取締法違反で拘留中。星輝ありさは体調不良のため欠場(ネット上では「退団」とか不穏な噂で持ちきりだが、ただの噂だと信じたい)。翔月なつみは、現在出演しているという芝居の関係(千秋楽だった?)か、第1試合出場後は姿が見えませんでした。そのためこの日は実質的に、たった一人のPLANETとして戦ったわけです(セコンドには例外的措置として宝城カイリがついていた)。メンタル的には厳しい状態だったのでしょう。

そんな中でも素人目で見れば、それほどダメな試合だったとは思えませんでした。試合後に奈苗があれほど厳しく言った理由はなんだったのか。

1年3ヶ月前のシングルマッチ、自分が書いた観戦記を読んでみると、体がついていかなくても必死に戦おうとしていた、というようなことが書いてありました。

岩谷麻優 飛べない翼と折れない心(2月27日 スターダム 新木場)

それに対してこの日の試合、ちょっと変な表現ですが、キャリアを積んだ分、終盤動けなくなっても慌てることもなく「堂々とダウンしていた」ような印象を受けたのです。奈苗からすれば、それが「試合を捨てた」ように見えたのでしょう。

以下は奈苗のブログ。

NANARACKA DIARY::スターダム〜〜ありがとうございました。
試合は岩谷麻優戦でしたが全く危なげなくの勝ち。
試合で自分で起き上がるスタミナすらなくなって試合を捨てた(ように私には見える)選手、初めて見た。
そこまでぼろぼろになって弾丸のような攻撃をした、ならまだわかるけど
あのね、私はプロレスで否定から始まるものはないと思っているんであまりしないです。
自分とこの選手だから特にいいこと言ってあげたいという親心もなくはない。
でも、今まで見過ごしてきたことを今この時期選手がもっと盛り上げていかなくてはいけない時だからこそ、私が「ダメ出し」をしておかなければならない。
あいつはダメだから、ぷい!ってしておける立場でもないのです。
でも!残念ながら!今の時点で!

ダメな選手=麻優

あの子のいいところも確かにたくさんある。
表情豊かなとこ、表現力、雰囲気とか。いっぱいあるよ。

ずっと下のレベルでもいいのかな。
悔しい気持ちはないのかな。

ちやほやされることに甘えてしっかりプロレスと向き合えてないんじゃないかな。

奈苗のような先輩がいることを岩谷は感謝するべきだろう。「ダメ出し」をするのは期待してるから。まだまだもっと成長して欲しいからに他ならない。

奈苗が言うように、岩谷はいいものを沢山持っている。特に見る者全てが応援したくなるような得難い雰囲気がある。それはいくら練習を積んだところで、誰もが得ることのできない天性のものだ。岩谷はそれを備えているのだから、あとは本人の努力次第で一流の選手になれると思うんです。もっとプロレスに対して貪欲になって欲しい。

次に奈苗とのシングルマッチを迎えた時は、今よりもっとスタミナをつけ、湧き上がってくるような感情を出し、がむしゃらな戦う姿勢を見せて、ファンと奈苗をビックリさせて欲しいものです。


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posted by ナガシマシン2号 at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 会場観戦記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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